この緊急脱出装置はAbort systemと呼ばれ、ロケットが何らかの原因で不具合を生じた際に、宇宙飛行士を乗せたカプセルだけを切り離し、安全な距離まで離脱させるための装置です。ロケットの不具合とは「姿勢が崩れて、市街地への被害を防ぐために地上から自爆させるケース」から、「スペースシャトルチャレンジャー事故のような不可避的な爆発事故」まで含みます。
今回アメリカ空軍の専門家の解析では、「このAbort systemでは爆発したロケットの破片が弾幕のようにカプセルを襲い、破壊する可能性がある」と指摘されています。それに対してNASAでは「そもそもスペースシャトルの運用で改良に改良を重ねてきた固体燃料ロケットをベースに開発するAres 1ロケットの性能は非常に高く、事故の可能性は約1/3000である」、「今後スーパーコンピュータを使用した詳細な解析で、Abort systemの安全性を証明する」とコメントしています。ちなみにスーパーコンピュータによる解析内容はまったく明らかにされていませんが、おそらく「さまざまな爆発ケースに対して、カプセルとロケットとの距離、カプセルと破片との相対速度、破片の大きさなどの因子から、カプセル・脱出装置へのダメージを計算し、乗員の生存確率を割り出すのではないか?」と思います。
今後の詳細な検討結果が待たれます。
五月女
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