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2009年6月13日:NASA次世代宇宙船「オリオン」の緊急脱出装置、安全性に疑問符。
 
NASAは来年引退のスペースシャトルに替わる新型宇宙船「オリオン」と輸送ロケットAres 1を開発中で、その無人初試験飛行が来月にも実施される予定になっています。3人乗りのオリオン宇宙船はカプセル型で、Ares 1ロケットの先端に取り付けられて打ち上げられます。その緊急脱出装置の安全性に対して、アメリカ空軍の専門家から疑問符が提起されています。
 
Ares 1ロケット(左)と、カプセルを安全に離脱させる緊急脱出装置(space.comより)
 
 

この緊急脱出装置はAbort systemと呼ばれ、ロケットが何らかの原因で不具合を生じた際に、宇宙飛行士を乗せたカプセルだけを切り離し、安全な距離まで離脱させるための装置です。ロケットの不具合とは「姿勢が崩れて、市街地への被害を防ぐために地上から自爆させるケース」から、「スペースシャトルチャレンジャー事故のような不可避的な爆発事故」まで含みます。

今回アメリカ空軍の専門家の解析では、「このAbort systemでは爆発したロケットの破片が弾幕のようにカプセルを襲い、破壊する可能性がある」と指摘されています。それに対してNASAでは「そもそもスペースシャトルの運用で改良に改良を重ねてきた固体燃料ロケットをベースに開発するAres 1ロケットの性能は非常に高く、事故の可能性は約1/3000である」、「今後スーパーコンピュータを使用した詳細な解析で、Abort systemの安全性を証明する」とコメントしています。ちなみにスーパーコンピュータによる解析内容はまったく明らかにされていませんが、おそらく「さまざまな爆発ケースに対して、カプセルとロケットとの距離、カプセルと破片との相対速度、破片の大きさなどの因子から、カプセル・脱出装置へのダメージを計算し、乗員の生存確率を割り出すのではないか?」と思います。

今後の詳細な検討結果が待たれます。

五月女

 

     
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