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2010年1月22日:Bigelow Aerospace社の今後の戦略。
 

(文責:五月女)ラスベガスに拠点を構える Bigelow Aerospace社ではNASAの宇宙滞在技術を買い取り、現在世界初の民間宇宙滞在施設を開発中です。同社創業者のRobert Bigelow氏はホテルチェーン経営で巨万の富を築きましたが、1999年の同社創業以来およそ180億円($180mil)の個人資産を投入し、この宇宙滞在施設の開発を進めてきました。これまで2006年と2007年にそれぞれ1基づつ、無人のプロトタイプ(Genesis1/2)を地球周回低軌道上に投入することに成功しています。

 
2015年完成予定の宇宙滞在施設(左)と、現在地球低軌道を周回中のGenesis実験機(space.comより)
 
 
同社の今後の計画が space.comに掲載されていたので紹介します。
  ● 次回打ち上げ予定の有人の SundancerモジュールとBA-330モジュールは現在開発がラスベガスの研究施設で急ピッチで進められている。
  ● 打ち上げに使う予定の Falcon 9 (Space X社)ロケット、もしくはAtlas 5 (United Launch Alliances社)ロケットの開発・調達具合にもよるが、2015年には上のモジュールを7回に分けて打上・軌道上で組み立て、初の宇宙滞在施設を本格的に稼動させたい。
  ● BA-330は一機で330立方メートルの容量を持っており、国際宇宙ステーション(完成時に373立方メートル)に匹敵する居住空間をたった一回の打ち上げで獲得できる。これは風船のようにたたんで打ち上げ、軌道上で大きく膨らませるInflatable構造の利点である。このBA-330を数基結合することで、非常に広い内部空間を獲得できる。
  ●同社ではこの施設を国や企業への実験用、個人滞在用(宇宙ホテル)、映画などの撮影用に広くリースするビジネスモデルを立てている。
 

2015年にフル企画の宇宙滞在施設を地球低軌道に建設したのち、同社では更に「内部容量2,100立方メートル(!)の巨大居住施設の開発」、「地球と月の中間地点にあるラグランジュポイントでの有人滞在施設の建設(有人月飛行の中継点に使う)」、「BA-330数基を月周回ステーションとして、あるいは月面に軟着陸させてそのまま月面基地として使用する」という壮大な計画を発表しています。現在アメリカではNASA内部で「民間宇宙輸送システムには安全性に懸念があるので、米政府は民間有人飛行を規制すべきだ」という不穏な動きが出ているとも伝えられていますが、古い宇宙開発と新しい宇宙開発のしのぎあいがどのような展開を見せていくのか、2010年代は注目すべき10年間になりそうです。

五月女

 

     
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