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2010年2月2日:オバマ大統領、米国新宇宙政策を発表。月有人探査計画は終了。
 

(文責:五月女)オバマ大統領は年頭予算教書の一環として米国新宇宙政策を発表、2004年のブッシュ大統領演説依頼続いてきた月有人探査計画は中止されることが決定しました。

 

今回、開発中止が決定した月有人宇宙船(左)と米民間企業が開発を進める次世代ロケット(space.comより)

 
 
今回の発表の詳細ですが:
   
  ● これまで月有人探査用に5年の歳月と9000億円の予算をかけて開発が進められてきたOrion宇宙船、Altair月着陸船、Ares Iロケット、Ares Vロケットはすべて開発を中止する。同時にNASAは地球低軌道上に宇宙飛行士を輸送する有人宇宙船(次世代スペースシャトル)開発からも完全に撤退する。
  ●スペースシャトルは2010年中に全機引退させる。逆に2016年に廃棄予定だった国際宇宙ステーションは少なくとも2020年までは使用を延長する。
 

●NASA予算は2010年の$bil18.3(約1兆8千億円)から$bil19.0(約1兆9千億円)に増額する。今後5年間で、Space X社、Orbital Sciences社といった米国ベンチャー企業に総額$bil6.0(約6千億円)の資金援助を実施し、民間企業による次世代有人宇宙船開発を全面的にサポートする。各社による有人宇宙船就航は2016年を目指す(筆者注:シャトル引退から次世代宇宙船就航までの数年間はロシアのソユーズ宇宙船に頼るものと思われる)。

  ●NASAは火星や小惑星に人間を送り込むための効率の良い次世代推進システムの開発に集中する(筆者注:原子力プラズマロケットエンジンなどが想定される。ただし具体的なプロジェクトや実現タイムフレームは発表されず)。
  ●今回の発表はホワイトハウスとしての総意で、今後この案を議会で議論していく。旧プロジェクトの雇用が失われることに対する一部の族議員からの反発も予想されるが、オバマ陣営は断固としてこの新宇宙政策の成立に注力する。
 
 

私は今回の発表はポイントをついた「アメリカ版事業仕分け」だと思います。「民間企業による競争原理を資金的にバックアップすることで、地球低軌道への大量宇宙輸送システムを効率的に実現し、更に民間企業ではなしえない太陽系有人探査に必要な技術開発をNASAが集中的に実施する」という今回の宇宙政策は、民間企業の活力を生かし、更にNASAをフロンティアに向かう研究開発に回帰させる、大変すばらしい決断だと思います。今回の決断が今後のアメリカ宇宙開発の本流として定着すれば、私達は本格的な地球低軌道への進出と太陽系有人探査の時代をこれまでの予測よりも早い段階で実現することでしょう。

五月女

 

     
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