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2010年3月9日:議会の激しい反発に会う、オバマ大統領の新宇宙政策。
 

(文責:五月女)先日お伝えしましたオバマ大統領の新宇宙政策が議会の激しい反発に直面しています。 この新宇宙政策の目玉は「有人宇宙開発における政府と民間の正しい役割分担の構築」で、これまでNASAが実施してきた地球低軌道への有人宇宙活動(近い将来は月も含む)を民間企業に任せ、NASAは月以遠(当面は火星)に人間を送るための次世代推進システムの開発に集中する、というものです。この流れの中で老朽化したスペースシャトルと、それを代替するために開発が進められてきたオリオン宇宙船をすべて廃止する、という提案がNASA職員の大量雇用喪失につながるとして議会の猛反発を招いています。

議会とそれに対するオバマ陣営の主張をそれぞれまとめますと:
 
議会
  ● フロリダ州の試算だけとってもスペースシャトル・オリオン計画終了後に9000人のNASA職員が職を失う。これは雇用対策の流れに大きく逆行するものである。
  ●新宇宙政策にある次世代推進システム開発に関する具体的な方向性やタイムフレームが全く示されておらず、NASAのかじ取りを誤る危険性がある。
 
オバマ陣営
  ●NASAの巨大官僚体制は何をするにも時間と金がかかりすぎ、またコンセプトにも革新性がない。民間企業に今後巨額の投資をすることで革新的な有人宇宙技術が効率的に開発され、そこから新たな雇用を創出することができる。
 
 

オバマ大統領は4月15日にフロリダ議会で米・政財界の大物と会談し、火星有人探査を含めたより具体的な米宇宙政策の方向性に関するディスカッションを実施することになっています。前回のトピックスでも書きましたが、私は「民間企業による競争原理・革新性をNASAが資金的にバックアップすることで地球低軌道への大量宇宙輸送システムを効率的に実現し、更に民間企業ではなしえない太陽系有人探査に必要な次世代推進システム開発をNASAが集中的に実施する」という今回の新宇宙政策は、民間企業の活力を生かし、更にNASAをフロンティアへの研究開発に回帰させる、大変すばらしい決断だと思います。既得権益を守ろうとする保守派の動きはどこの国でも共通の課題ですが、オバマ大統領には是非指導力を発揮し、この新宇宙政策を実現してもらいたいところです。

五月女

 

     
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