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2010年5月2日:米軍開発の極超音速実験機(HTV-2)、打ち上げ成功するもデータ収集に失敗。
 

(文責:五月女)ロッキードマーティン社と米軍(DARPA)が共同で開発、4月22日にカリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地からオービタルサイエンス社のミノタウルスロケットで打ち上げられた極超音速実験機(HTV-2)ですが、大気圏外投入確認後、交信を絶ち、実験は失敗に終わりました。

 

打ち上げに使用されたオービタルサイエンス社のミノタウルスロケット(左)とHTV-2実験機(space.comより)

 
 
 
今回の実験の概要ですが:
   
  ●HTVはHypersonic Test Vehicle(極超音速実験機)の略で、最大14000キロ離れた地点に2時間以内に到達する軍用機を実用化する目的で米軍が開発を進めてきた無人テスト機体。ちなみに14000キロは現在の長距離旅客機で16時間の飛行距離に相当する。
  ●今回の実験(初回)ではカリフォルニア州から打ち上げられた実験機は地球の自転と反対方向に太平洋を飛行、太平洋上のクワゼリン環礁に着水する予定だった。
 

●無人のHTV-2は飛行中にデータを収集、特に「極超音速飛行時の機体空気力学形状最適化と設計ツールへの反映」、「効果的な熱防御システム(carbon/carbon)の開発」、「自動精密誘導技術の開発」において、重要なデータをもたらすことが期待されていた。

  ●HTVの機体はあまりの高温(1600℃以上?)のため、ノーズと翼端(leading edge)の溶融・変形が許容され、機体は変形後も適切な空気力学的形状を維持することが要求されている。
 
 

今回の実験ではほとんどの設計が高度な物理学にもとずくシミュレーションによって実施され、「今後の解析精度のさらなる向上に有用な実データの収集をもってミッションが成功したと判断される」はずでしたが、なんらのデータも収集されないまま実験機が消息を絶った今回の実験は明らかな失敗と判断されます。今後米軍では今回の失敗の早急な原因究明にあたります。

五月女

 

     
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